「―――さてと、君はレオンハルト君だったね。」
「……」
以前、帝国直々の依頼で目にしたことがある程度だが、覚えていたというのは驚いた。自分は基本的に目立つのがあまり好きではないのでずっと黙っていたのだが。
「君にも一つ、依頼をしたいと思っているんだけど、いいだろうか。」
先ほどエステル・ブライトと話していたときの、どこか茶目っ気のある吟遊詩人から王族へと雰囲気がガラリと変わった。
「聞いてからじゃないと何ともいえないが。」
そういうとふむ、と一思案し、言葉を紡いだ。
「実は、エステル君についての依頼、だ。」
彼女は先日リベール国内であったクーデターを阻止した遊撃士の一人だ。
そこで彼女は準遊撃士とは思えないくらいの活躍をして、それがこの速さで正遊撃士になれた原因の一つだ。でも、彼女は精神的にとても不安定になることがあって、僕らも不安になることがあった。まぁクーデター中はそんなことはなかったんだけど、彼女は一人でやっていくにはまだ十分じゃない。確かに彼女は強くなるし、将来は大陸で五本指にはいるくらいの遊撃士になるだろう。もちろん、それはエステル君のお父さんのこともあるけれど、彼女には才能がある。でもまだ彼女はそこまで強くない。
僕はね、エステル君を前から知っているような気分に囚われることがある。そのときのエステル君は今よりもっと強くて輝いていた。その横にはいつも『彼』がいた。その『彼』との交わりの中で、エステル君は時に傷ついてそして輝いていった。
もうわかるだろう?今のエステル君はそのときの彼女よりもとても脆い。
正直、帝国を旅させるのは多少不安があるんだけど。
「君に依頼したいのは、この旅で彼女を支えて欲しいということ。
もちろん、君に断る権利もあるよ。
―――僕としては、よく考えて行動して欲しい。」
花園から出ると、秋に近づいているとは思えないくらい暑かった。
ジトリ、と背中に汗が出ているのに気がつき、舌打ちをする。
(王族なんて、反吐が出る―――。)
オリビエもまた、それを理解しているのだろう。その気遣いにも嫌悪している自分がいた。
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王族嫌いは称号として。
レオンハルトは、戦争中ので帝国が非常に嫌いになってます。
勘なんですけどね。(確かゲーム中はウロボロスにはいって知るような流れだったので)
もしくはカシウス父さんに聞いたという設定でもいける。
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